校長室の窓から

卒業証書授与式

令和6年3月9日(土)、本校第45期生の卒業証書授与式が行われました。

卒業までの期間、生徒たちをご支援いただいた保護者の皆様、地域の皆様に深く感謝申し上げます。卒業生には、本校卒業生としての誇りを胸に、輝かしい活躍をしてくれることを期待しています。頑張ってください。

 

【卒業証書授与式式辞】

今年は暖冬であったとはいえ、柔らかな温かさと雪まで降る寒の戻りを繰り返しながら、季節は少しずつ春への歩みを進めています。本日は、ご来賓の皆様をはじめ、保護者の皆様、在校生らとともに、このように盛大に第四十五回卒業式を挙行できますことは、この上ない喜びであり、誠に嬉しく存じます。本校を代表し深く感謝申し上げます。

 ただ今、卒業の呼名をし、卒業証書を授与いたしました二百十二名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。

 卒業生の皆さんの高校三年間を振り返ると、一・二年生の時は、繰り返すコロナ感染により、学校行事の開催制限、学年閉鎖や学級閉鎖、部活動の参加や練習制限など、多くの場面で、自粛を余儀なくされました。しかし、最上級生となった今年度は、コロナ前と同様、学校行事等を開催することができました。体育祭では、競技に本当に楽しそうに参加し、仲間を応援し、参加する姿勢は、観覧する多くの人に感動を与えました。文化祭では、アイデア溢れる企画の実施や、部活動等で日頃の練習の成果を発揮し、心温まる風を吹き込んでくれました。コロナの影響で途切れてしまってもおかしくなかった上尾南高校の伝統をしっかりと受け継いでくれました。先日開催された予餞会での下級生から卒業生へのメッセージを聞くと、上南スピリットが受け継がれていることを確信しました。

 さて、卒業生の皆さんにとって、期待や希望で満たされている今日の輝かしい門出の日、私からは二つのことを申し上げたいと思います。

 一つ目は、変化の激しい現代の社会を生きていくにあたり、若い世代の人たちに非認知能力と呼ばれる力を身に付けて、困難に打ち勝つ力を育てて欲しいということです。

テストなどで測定できる認知能力に対して、非認知能力には、大きく分けると二種類のものがあります。一つは、自己肯定感、自立心、意欲、忍耐力、創造力などの自分自身に関するものであり、もう一つは、協調性、思いやりなど、人と関わるのに必要な力です。教養があれば、生活は豊かになりますが、正解がわからない社会の課題に対峙していくには、学力だけでは対処しきれません。失敗にくじけない精神的な強さや、物事にチームで対応していくスキルが必要になります。皆さんは明日からそれぞれの道を歩むことになり、困難な課題に直面することもあるでしょう。しかし、それを乗り越えることで、真の成長と成功が得られます。非認知能力が低いと失敗を恐れて何もできない。一方で、挑戦し失敗や困難を一つ一つ乗り越えなければ非認知能力は育まれません。

 以前、「人生は敗者復活戦である。」と仙台育英高校の野球部・須江航監督の言葉を紹介したことがありました。また、卒業生の皆さんにとって、記憶に新しい三学期の現代文の授業では、魚住直子さんの小説「卒業」が取り上げられました。新しい環境に慣れず、自信を失って悩んだ時は、是非読み返して欲しいと思える作品です。人生そもそもうまくいかないのは当たり前。失敗や挫折を恐れずに、今皆さんが持っている力を、出し惜しみをせず、その都度最大限引き出し、挑戦をして欲しい。夢の実現に向けて、粘り強く努力を重ね、自らの人生を切り拓いていってください。

 二つ目は、関わる人に対して、お互いを尊敬し、励まし、認め合う心を持ち続けて欲しいということです。

毎年、本校の行事の中で素晴らしいと感じるのですが、秋に行われる長距離走大会。全員の生徒が手を抜くことなく走ります。そして、完走した人が、後からゴールする人に応援をします。分校との合同行事であるので、分校の生徒にも心から応援している姿に、私は心が温まり感動しました。

卒業後の進路先では、新しい人間関係ができ、高校時代の友人との関わり方とは変わる人がたくさんいると思います。今後、所属する集団によって、求められる役割は一人一人違います。その中で、自分よがりにならず、関わる人たちと良好なコミュニケーションを図り、周りの人を、尊敬し、励まし、認め合っていって欲しい。皆さんの生き方を助けてくれるだけではなく、お互いに向上していくことになるでしょう。

  ここで、保護者の皆様にお礼を申し上げます。お子様のご卒業おめでとうございます。卒業生と話をしていると、相手の気持ちを慮ることができること、学校の課題に向き合い、上尾南高校の在り方について思いを巡らしていることなど、立派な考えを持っていることがわかります。三年間で大きく成長したと思います。これまで子どもたちを支えてくださり、本当にありがとうございました。

 最後となります。卒業生の皆さんが仲間たちと上尾南高校で一緒に過ごすのは今日が最後となり名残惜しいと思いますが、「チームあげなん」のもと、青春時代の三年間をともに過ごした仲間は「一生の友」です。これからも、仲間とともに、切磋琢磨し、励まし合いながら、成長の一歩一歩を刻んでいってください。 卒業生の皆さんが、それぞれの目標に向かって輝かしい未来を切り開き、これからの大きな活躍をすることを心から祈念しまして、式辞といたします。

 令和六年三月九日                          埼玉県立上尾南高等学校長 秋元 俊一